今回は緊張型頭痛を引き起こす誘因についてです。
緊張型頭痛の痛み、筋肉の緊張から頭痛を起こすまでの道のりについては(緊張型頭痛 Vol.1)にまとめましたので、気になる方はそちらもご覧ください。
慢性頭痛の中で最も多いといわれる緊張型頭痛は「頭、首、肩の筋肉の緊張」によって引き起こされます。
ではなぜ首や肩の筋肉は緊張してしまうのでしょうか?
首や肩の筋肉が緊張する2大誘因
- 悪い姿勢(スラウチ姿勢)
- 精神的ストレス
1.悪い姿勢(スラウチ姿勢)
背中が丸まり頭が前方に移動した姿勢をスラウチ姿勢といいます。
スラウチは英語で「だらしない」「だらけた」といった意味があります。
この姿勢は頭が下に落ちないように姿勢を維持するため、首の後ろの筋肉に負担がかかり緊張が増します。
2.精神的ストレス
なぜ精神的ストレスが首や肩の筋肉を緊張させるのかは自律神経との関係にあります。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあります。
交感神経は興奮系の神経で、戦う時や身の危険を感じた時に優位になります。活動的な日中に優位になりやすいとされています。
対する副交感神経はリラックス系の神経で、興奮をリセットして、体を癒し回復させる神経です。夜に優位になりやすいとされています。
2つの自律神経はその時の置かれた状況や環境によって全身的に切り替わり、身体のバランスをコントロールしています。
例えば暑い時は体の体温を下げるために汗をかいたり、寒い時は体温が下がらないよう熱を作るために筋肉が緊張したりします。
この自律神経は自分の意思でコントロールすることは出来ませんが、感情や感覚の影響を大いに受けます。
交感神経が優位になると筋肉が緊張する
精神的ストレスを受けると、交感神経の働きが強くなります。
交感神経が優位になると、筋肉は緊張、血管は収縮します。
この働きは、危険を察知して逃げる時に体が俊敏に動けるように筋肉が緊張して、けがをした時に出血量を減らすために血管が収縮する身体の反応だと考えることができます。
血管には血液が流れていて、身体中の組織に栄養と酸素を届けたり、二酸化炭素と老廃物を回収する役割があります。
交感神経の優位が続いて血管の収縮が続くと、体の組織に十分な栄養と酸素が届かず、老廃物の回収も滞ってしまいます。
その結果、首や肩の緊張が続きます。
その他に首肩が緊張する要因
枕の高さが合っていない
朝起きた時に、寝る前よりも首が張っていませんか?
枕が合っていないと首が不自然な姿勢になることで、首の緊張が続くことがあります。
また、寝返りも打ちづらくなるので、血行不良もおきやすくなります。
枕の高さや硬さは自分に合ったモノを選ぶのが大切です。
首から腰かけての背骨のカーブの大きさや関節の柔軟性には個人差もあるので、朝起きて楽に感じる枕を基準に選ぶと良いと思います。
筋肉が硬い状態
力を抜いているのに首の筋肉が硬い状態は、本来持っている伸縮性を失っている状態です。
筋肉が硬くなっていると、血管が圧迫さて血行不良に陥りやすくなります。
代謝が悪い状態が続いてしまい、筋肉の緊張が続きます。
肩がこっているのに、自覚がない方に多いかもしれません。
この他にも、首や肩の筋肉の緊張する誘因がいろいろあると思いますので、どんな時に自分の首や肩が辛く感じるのか思い返してみましょう。
次回、Vol.3では「緊張型頭痛の原因になりやすい筋肉」についてまとめたいと思います。